今回は、A Course in Miracles (『奇跡のコース』/『奇跡講座』)「ワークブック」の序文8段落目と最終段落の9段落目のポイントです。
8.この「ワークブック」が提示する概念の中には、信じがたいものや、驚愕させられるようなものがあるかもしれない。2そうしたことは問題ではない。3あなたはただ、指示される通りに、その概念を適用するだけでよい。。。
W-in.8‐9
9.ただ次のことだけを覚えていなさい。あなたはこれらの概念を信じる必要もなければ、受け入れる必要もなく、歓迎する必要さえもない。2あなたが断固として抵抗するような概念もあるかもしれない。3こうしたことは一切、何の問題にもならないし、その効力を減じることもない。。。
『奇跡講座 下巻』/ 中央アート出版社
「ワークブック」で述べられる概念を信じたり受け入れなくても、
“ただやれば、あらゆる問題は解決していく”
そして、もしかしたら
“「テキスト」を読む必要もない”
と誤って解釈してしまうかもしれません。一緒に確認していきましょう。
**「ワークブック」の概念を信じたり受け入れる必要はないとは?**
じつは、「テキスト」には、「テキスト」をしっかり学び理解するように、という内容の記述が何度かあるのです。
「テキスト」で述べられた理論を実践的に練習するためのツールが「ワークブック」でした。
それでは、なぜ、「ワークブック」の概念を信じる必要も受け入れる必要もないのでしょうか?
A Course in Miracles(『奇跡のコース』/『奇跡講座』)の学びは、私たちが今までに、まったく経験したことがない学びです。
その学びの実践のための練習を始める段階では、段落8にあるように、「信じがたいものや、驚愕させられるようなもの」が多くあると思います。
実際に、私も「ワークブック」を読んだ時に、“それはないだろう?”と思ったり、“ちょっとこれはできないな”と思ったりしたことがあります。(これも、学びに対する抵抗ですね。)
しかし、そんなふうに思ったとしても、「一切、何の問題にもならないし、その効力を減じることもない」と9段落目であらかじめ、親切に述べてくれています。
私たちは、信じるに足る、受け入れざるを得ないような決定的な何かを経験したり、自分の考えや信念と一致するなどと判断しない限り、何かを信じたり、受け入れることはできないのではないかと思います。
私たちがもともと持っている考え方やものの見方、知覚の仕方を、新しい考え方、新しいものの見方、新しい知覚の仕方へと導く練習が「ワークブック」です。
まだ学びをしていない状態では、そもそも信じることも、受け入れることもできないはずです。
そのような状態で、レッスンの概念について、あれこれと自分の判断を貼り付けていては、これまでと同じ場所で足踏みをしているようなもので、レッスンを行う上の妨げになってしまうのでしょう。
だから、「信じる必要もなければ、受け入れる必要もない」と言われているのだと思います。
**具体的に当てはめることだけが求められている**
6使うことにより、それらがあなたにとって意味あるものとなり、真実であることが示されるだろう。
W-in.8:6
『奇跡講座 下巻』/ 中央アート出版社
私たちに求められていることは、「ワークブック」の指示通りにやっていくことです。
目の前のもの、出来事、人々、自分が出会うあらゆることにそれを具体的に当てはめていくことです。
そしてそれによって、徐々に、隠されていた誤った自分の考えや感情に気づかされ、それらを明るみに出すことで、本当の心の訂正がなされていくのだと感じています。
それでも、私はよくワークブックの主題概念を忘れてしまっていましたし、当てはめることができなかったこともたくさんあります。
最初のころには、まず、自分の心が動揺した時に、主題概念を思い出せるように練習していたことがあります。
嫌だな、おかしいな、悲しいな、、からはじまり、たのしいな、よかったな、、、と思うごとに、「ワークブックの概念を当てはめる時だ」と、思い出せるようになってきました。
そうすると、自分では思ってもみなかったような新しい考え方に気づいたり、実際に(私の心の中の訂正がされたことで)物事が全く違う方向に動き出すということを経験し始めました。
それが楽しくて、そのうちに「例外なく」当てはめることも苦なく、自然とできるようになってきました。
そして「例外」を作りたくなったら、そう思っていること自体を掘り下げて、心を見つめる練習をしています。
どうぞ、ゆったりとした気持ちで、取り組みを続けていきましょう。
ありがとうございます(˶ˊᵕˋ˵)
WINGS 波多野圭子