四章序1.聖書は、兄弟があなたに求める二倍の距離を彼と共に行くようにと勧めている。2旅する彼を後退させるように勧めていないことは確かである。3兄弟への献身が、あなたを後退させることもあり得ない。4それは互いの進歩につながるだけである。5真心からの献身の結果は、霊に満たされた状態である。
T-4.in.1:1-5
『奇跡講座 上巻』/ 中央アート出版社
A Course in Miracles(『奇跡のコース』/『奇跡講座』:コース)の学びを続けてきて感じることのひとつは、わたしの周りの人々や出来事の優しさが増しているということです。
それは、わたしの心が少しずつ訂正を受け入れる経験を積み重ねてきて、その心の反映が外の世界に映し出されていく様子なのかなと思っています。
コースのことを一生懸命に説明しなくても、周りの人たちに伝わっていく、拡がっていく様は、まさに喜びです。
その一方で、今までわたしは、コースの学びをしていない家族や親しい人にさえ、この学びを続けてきて経験したことを言葉にして分かち合ったことはなかったな、と最近きづきました。
“話しても分かってもらえないかもしれない。”
“おかしな人だと思われるかもしれない。”
そんな恐れがありました。
自分がどんな学びをしていて、ものごとや出来事をどんなふうに感じているのかを言葉にして伝えたことはありませんでした。
そのわたし中の“矛盾”が優しく訂正された経験をシェアしようと思います。
**分かち合う喜び**
先日、母が怪我をしました。
しばらく色々なサポートをする日々が続いていた、ある日のことです。
その日にわたしが経験した赦しのこと、わたしの心がどんなふうに訂正されていったかを、ふと、母に話してしまったことがありました。
わたしはその日、ある方に自分の “こうあるべきだ” というわたしの勝手な信念を貼り付けていたなぁと思ったのです。
そして、ホーリースピリットと一緒に自分の心を見渡していた時に、それはまさに、自分自身に対しても “こうあるべきだ” と思っていたことだったと気づいたのです。
わたし自身を縛り付けて、傷つけてきたのは、わたし自身の思いだったのだと、気づいたのです。
そして、そんな思いは手放したいと思いました。
そのことを母になぜか伝えたくなって、話してしまったのです。
「そんなふうに、自分に対して刃を向けていたのなら、ずっと辛かったね」
母からの思いがけない一言でした。
母は、わたしがコースで学んでいる投影のことも、赦しのことも知りません。
それでも、わたしの心に起こった気づきと訂正を完璧に理解して、受けとめてくれたのです。
とてもうれしかったです。
そして同時に、これまでわたしが母のことを見誤ってきたことに気づきました。

**すべての心はつながっている**
わたしはすっかり忘れて、見誤っていたのですが、母の心もほんとうは、真の癒しを受け入れたいと思っています。そうして運ばれています。
それは、わたしとまったく同じです。 (もちろん、ほかの方々も、まったく同じです)
そんな母には、必ず私の心が同じように伝わるはずなのです。
母とわたしだけでなく、わたしたちの皆の心はひとつにつながっています。
それをわたしは、コースの学びの有無を理由に、“この人は違う” 、“この人にはわからない” と見誤っていました。
そして、言葉を使うとしても、使わないとしても、分かち合われるのは、形レベルのことではなく、心であり、内容です。
もしかしたら、すぐには ”伝わっていないのかも?” と感じるようなことがあるかもしれません。
それでも、ちゃんと心には届いているのです。
そして全員にとって最善な時に受け入れられます。
だから、安心していればいいのです。
怪我をした母のサポートを続けてきて、その後もたくさんの気づき、心の訂正の機会がありました。
今、母は怪我から徐々に回復してきました。
それでも、わたしの赦しの話を聞いてくれます。
そのおかげで、わたしはまた母と一緒に、自分の気づきをさらに深く受けとるという経験をしています。
これからも、コースの学びの有無に関わらず、たくさんの方々との心の経験の分かち合いをしていきたいと思います。
終わることのない聖性と平安の中で、私がすべての兄弟と私の自己とひとつであり、神ともひとつであることを、思い出せますように。
W-pI.124.12:2
『奇跡講座 下巻』/ 中央アート出版社
ありがとうございます(˶ˊᵕˋ˵)
WINGS 波多野圭子